Scilabは無料で使えるMatlabというMatlabクローンとしての一面があります.しかしScilabの初期ディレクトリは/(Mac版,Unix版も?)に設定されているので,そこから自分のwork spaceまで移動するのは面倒.
さらにtoolboxを開発したとして,そのプログラムをいちいちディレクトリ内でexecしなければならず,Matlabでいうpathの設定ができません.
今回はScilabを起動した時に自動で自分の環境のpathを設定する方法を紹介します.
方針:
・簡単,シンプル!
・起動時に自分の環境を自動でexec
・環境:Mac OS X 10.5.8(おそらくSnow leopardも一緒,Windowsもディレクトリのパスを変えれば方法は一緒)
設定方法:
Scilabは起動時にSCIHOMEというディレクトリの中を見ています.そこにscilab.iniというファイルを作成するとその内容を起動時に自動的にexecしてくれます.それだけ.
以下ではMac版で話をすすめます.
ScilabのコマンドラインにSCIHOMEと入れると
-->SCIHOME SCIHOME = /Users/takitoshi/.Scilab/scilab-5.2.2
と返してきます.このディレクトリを参照しているとのこと.この.Scilabは隠しディレクトリなので通常のFinderでは見れませんが,見れるようにするかterminalなどから行くことができます.
scilab-5.2.2ディレクトリ内にscilab.iniを作成.ファイル内容に自分の環境の初期設定を書いておけば,Scilab起動時に自分の環境がexecされるというワケ.
例:
scilab.ini内に
cd /Users/takitoshi/scilab_work disp('Start Scilab!') disp('/Users/takitoshi/scilab_work/')
と書いておけば,起動時に
___________________________________________ scilab-5.2.2 Consortium Scilab (DIGITEO) Copyright (c) 1989-2010 (INRIA) Copyright (c) 1989-2007 (ENPC) ___________________________________________ Startup execution: loading initial environment Start Scilab ! /Users/takitoshi/scilab_work/ -->pwd ans = /Users/takitoshi/scilab_work
これで自分のwork spaceに移動させることができます.scilab.ini内で自分の作成した関数をexecすればそれがデフォルトで使えるようになるので,実質pathの設定が出来ます.
注意:
実はコマンドラインでclearを実行してしまうと,全てのexecした関数も消えてしまうので,もう一度execする必要があります!不便・・・まぁもう一度Scilabを立ち上げればいいですけど.
参考:Scilab manual 5.2.2 startup